Case Report 2


セキセイインコに見られた脚端部の腫脹

個体情報
セキセイインコ(Melopsittacus undulatus) 14才  ♂
主訴
最近、足が腫れているのに気づく。
一週間ほど前から足を挙上している。
所見
左右の趾端部関節に白色結節が存在。

診断
確定診断には白色結節部の穿刺、塗沫、化学反応検査等が必要だが、出血の危険性が高いため、 その特徴的な形態から痛風結節と診断。
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痛風とは?

血液中の尿酸という物質の濃度が高くなり、関節に結晶化して沈着した状態を言います。
風が吹いても痛いというぐらいの疼痛からこの名称が付けられています。

痛風の原因は?

鳥と人では痛風の原因が異なります。

人では、食べ物に含まれる「核酸」の最終的なゴミが尿酸であり、 たくさん「核酸」を取りすぎている人(食べすぎ)や、遺伝的に血液中の尿酸値が高くなりやすい人がこの病気にかかります。
鳥の場合は「たんぱく質」の最終的なゴミが尿酸です。
人や他の哺乳類では、たんぱく質のゴミは「尿素」として尿中に溶解して排出されるのですが、 鳥では尿酸として尿や便と一緒に溶解されずに排出されます。
(鳥の便にくっついている白い塊が尿酸です)
このため、鳥では腎臓が悪くなってしまって、尿酸をうまく排泄できないと、 血液中の尿酸がたまってしまい、痛風になるとされています。
腎不全以外にも、痛風が発症するのにはいくつかの条件が有るとされていますが、はっきりしていません。

腎不全の原因は?

腎不全の原因は様々です。最も注目されているのはビタミンAの欠乏です。
ビタミンAが足りなくなると、腎臓にある尿細管というところが壊されてしまうためです。
また、卵塞や、精巣腫瘍などの物理的な腎臓の圧迫によっても生じます。
さらに、腎腫瘍がセキセイインコでは数多く報告されています。
急性の腎不全の場合、細菌やウイルスによる急性腎炎や中毒による腎臓の破壊が疑われます。

痛風の予防は?

腎不全の予防ということになります。
まず、ビタミンAの前駆物質であるカロチンをたくさん含む緑黄色野菜をしっかり食べさせること。
それでも、ビタミンAは不足しがちなのでサプリメントとしてビタミンAが入っている飼い鳥専用のビタミン剤を使用すること。(ビタミンAは多く与えすぎると逆に腎臓を悪くしますので内容量がしっかり明記されているものを使用すること)
また、高ミネラル(塩土の食べすぎ)や、高たんぱく食も腎臓に負担を与えます。
そして、早期発見早期治療です。
腎臓は症状が現れている頃にはその機能の70%が損傷していると言われます。 足を痛がる様子や、おしっこが多いなどの様子が見られたらすぐに病院に相談することをお勧めします。

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